空き家対策リフォームをして民泊として貸出
平成29年創設小規模不動産特定共同事業で、小口の投資金を活用して地域の不動産業者などが古民家・空き家などの様々な不動産活用に乗り組むことが可能になりました。
資金を集める活動は、消費者・投資家保護の観点から規制が不可欠と考えられてきました。一方で厳格な規制は活動自体を委縮させてしまいます。このため、バランスを考慮し、小規模な不動産特定共同事業については簡易な手続きで参入できるように創設されたのが小規模不動産特定共同事業です。
空き家、空き店舗、古民家など現状利活用されていない不動産は資産価値を高く評価することができないため、銀行融資を利用することが困難です。この規制緩和によって小規模不動産特定共同事業を用いて投資家から資金を集め利活用を進めていくことが可能になりました。
小規模不動産特定共同事業の理解に関して、まずは価値総合研究所が出版しているパンフレットを参照していただくのが良いと思います。イラスト付きでわかりやすく説明されています。「不動産特定共同事業等について」と検索していただくと国土交通省のホームページで確認することができます。
パンフレットには不動産会社が自社のバランスシート上で投資を募る小規模1号事業について説明がされています。(小規模1号事業は対象不動産を事業者のバランスシート上にオンバランスされているため、事業者のリスクを直接的に受けやすい仕組みと言えます。)
また、小規模一号事業を行うための登録要件についても説明されています。(資本金1000万以上・純資産が資本金または出資の額の90%以上・宅地建物取引業者など)
小規模一号事業を扱う場合には、都道府県知事の登録事業者になる必要があります。
小規模第1号事業で取り扱うことのできる出資の合計額は1億円以下。出資が1億円までなので別に借り入れをすることができます。しかし、約款の整備が必要です。
小規模第一号事業者が一の投資家から受けることができる出資額100万円以下。特例投資家に関しては1億円以下になります。
パンフレットを読んで興味を持っていただいた方は、同じく国土交通省のホームページに掲載されている小規模不動産特定共同事業実務手引書基礎編から実務編を読み進めていただくとより理解が深まります。
実務手引書は小規模不動産特定共同事業を全体的に掘り下げて記述されていることはもちろん、不動産会社が自社とは異なるSPC(特別目的会社)を組成する小規模2号事業について記されています。一定の要件を満たす専ら不動産特定共同事業を行う特別目的会社(SPC)を設置し、営業者の他の事業の影響を排除(倒産隔離)することができるスキームです。
小規模特例事業事業
国土交通省による不動産証券化手法を活用したモデル事業形成に向けた支援事業に選定された当社は、同事業の受託先である株式会社価値総合研究所から長島・大野・常松法律事務所の井上博登弁護士・遠藤泰祐弁護士の専門家派遣を受け小規模特例事業を実行。私が組成したSPC(Lucifer合同会社)は公益財団法人不動産流通推進センターによる債務保証制度(協業化事業円滑化資金)を利用し、きらぼし銀行のノンリコースローンによる資金調達を実現。同時に特例投資家からの出資による資金調達を行い、杉並区和泉で老朽アパートの建替えを小規模特例事業として実行しました。
今後この仕組みが広く利用されることを関係者全員が期待しています。しかし、普及のために見えてきた課題もまた多いと認識しています。
不動産流動化で不燃化・耐震化を加速
杉並区和泉の次にプロジェクト対象地に選んだのは東京都足立区千住龍田町。「千住地域整備計画地」に該当しています。当該地において、木造住宅密集地域整備事業における「道路網」の整備、「市街地の不燃化」を行うことは、東京都の目指す防災生活道路の整備による不燃化・耐震化を加速させ、市街地の木密
地域拡大の未然防止をするうえで、とても重要な役割を担います。足立区とともに、細街路整備事業及び不燃化特区による建て替え事業を行うことで東京都の「燃えない」「倒れない」震災に強い安全・安心な都市の実現を目指して本プロジェクトを推進致します。
平成29年法改正ではクラウドファンディングを可能とするように主として書面交付の方法に関する制度整備が行われました。これにより以下について、電子的方法によることが可能になりました。
・不動産特定共同事業契約の成立前における書面を交付しての説明義務
・不動産特定共同事業契約成立時の書面交付義務
・財産管理報告書(財産管理状況について事業参加者に定期的に交付される報告書)
一方、インターネットを通じて資金を集める仕組みを取り扱う業者について、適切な情報提供など必要な業務管理体制にかかわる規定が整備されました。
魅力的な不動産利活用を市場に提案することができれば、より多く魅力的な日本の地域で、より多くの不動産会社が小規模不動産特定共同事業を利用し、インターネットを通じて投資家の資金を募り日本の不動産が活性化していくと考えます。
小規模不動産特定共同事業
新しいスキームに可能性を感じ